皮膚科コラム
【コラム⑪ やけどを予防するために①】
2023-10-20
10月になりようやく朝夕の気温が低下してきました。お湯や暖房器具を扱う機会も多くなり、皮膚科外来ではやけど(熱傷)の患者さんが少しずつ増えています。
小範囲のやけどでも、皮膚の深部までのダメージを受けると固い傷あと(瘢痕・ケロイド)を残したり、植皮などの手術が必要となるケースもあります。
以下にあげるようなやけどを起こしやすい状況を知って、予防することを心がけてください。小さなお子さんや介護を必要とする方は、家族のみなさんが気をつけて守ってあげましょう。
調理時の注意点:
- 熱い湯の入った鍋・やかんを持ったまま移動しない。また足をひっかけやすい座卓のわきなどに置かない。(写真:熱湯が足にかかって受傷)
⇨歩行の不安定な方は特に注意してください。 - 火を扱う時にマフラーや袖・すそがひらひらした衣類を着ない。
⇨引火すると着衣が短時間で燃えて危険です。 - 乳幼児がいるときは、キッチンに入って来ないようゲートを設置する。
屋外作業時の注意点:
- 風の強い日に野焼きなど、火を扱う作業をしない。
- 化学薬品や灯油・ガソリンが付着した衣類は、すぐに着替えましょう。
⇨化学熱傷のおそれがあります。
暖房器具について:
- ファンヒーターの吹き出し口は防護網をつける。石油ストーブは防護柵で囲む。
- あんか・湯たんぽは足から離れたところに入れる。
- スマートフォンを充電器につないだままベッド・布団上に持ち込まない。